土地の選定


主なPlayer

施主が見出した土地です。施主の評価ポイントは以下の通りでした。

日照と反射光

南北を低い山に囲まれた1835m²の土地で、日照がいい場所です。

低圧50㎾以下なら1000m²あればよいので、十分な広さです。

なにより南面が山で、生産山林ではなく、生産農地もなく、人家もないため、南向きに太陽光パネルを敷いても反射光が迷惑を及ぼさない場所であることが最大の評価点でした。

土砂崩れの可能性

土地は過去に山崩れをしたことがなく、粘土質である点も評価しました。

山口県、広島県は花崗岩が風化した真砂土が多く土砂崩れが起きやすい場所が散見されるのですが、当地はそうではありません。

川の氾濫の可能性

そばを幅3mの砂防河川が流れていますが、源流に近く一直線の場所のため氾濫をしたことがありません。聞き取りによると、数年前の岩国市の錦帯橋が流された大雨の時も、ぎりぎりあふれなかった、とのことでした。護岸が古いのが少し気になりますが石積みは乱れておらず浸食されにくいと判断しました。

さらに、地元の集落とは標高が少し高く、流れ込む大きい川までは1㎞以上離れており、川の氾濫、または逆流で一帯水没する危険がない土地と判断しました。

地目

2筆に分かれて、原野と田になっていました。田の方は購入するために農地転用が必要ですが、耕作が放棄されてから30年立っていることが判明し、現況は高さ3mの熊笹が覆い繁り、耕作復帰は困難なため、農業委員会へ現況確認を求めれば1か月程度で転用許可が出る可能性がありました。

系統連系

電信柱を見ればそこの線の容量が小さいか、大きいかがわかります。たまたま、この場所は高圧に変える計画があり、系統連系が得やすい場所であることがわかりました。また連携する電信柱が10mと離れずに存在しました。

赤線、青線

聞き慣れない言葉ですが、農地、山林には必ず青線(昔、田に水を引いた用水路後)、赤線(田んぼ、山に入るための小道)、が縦横に走っています。これは公用地で市町村の持ち物です。この上を跨いで電線は張れませんし、太陽光パネルも架設できません。土地の内部に赤線、青線がないことが重要です。この土地は境界線の周りを赤線、青線が走っていますが内部には有ませんでした。

工事用道路

この場所へは公道から500m工事用道路の敷設が必要でした。幸いに施主所有の隣接した土地内に敷設が可能で問題ありませんでした。


土地選択の注意点のまとめ

広く開けた平野の中の土地は、一見、太陽がさんさんと照り理想的に見えますが、近くに大きな川があると氾濫の危険性があります。また、近くに電柱がないと厄介です。その容量も問題です。工事用道路も大きな問題になります。南に集落があるとパネル反射光が問題になります。農地の現況も転用許可に大きく影響します。指定農地である場合転用はできません。また、もし文化財が出たら工事はストップします。近くの山が花崗岩質だと土砂崩れの可能性があります。

これらを、素人が一見して見抜くのは容易ではありません。聞きあるきがもっともいい方法ですが、コンサルタントに任せるのが無難です。中立の立場で調べてくれます。この費用は惜しまないほうがいいと思います。(今回はコンサルタントはオープンソーラ株式会社でした)


赤線、青線。当該地区は2696-1、2096-2